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波を描く

旅と絵と波乗りのこと

太陽 

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今日、完成しました。

私の祈り。
日本という素晴らしい国の天上に、眩しく照り輝く太陽。


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中央には幸福と強さをあらわす鳥、フェニックスのツガイ。
光が当たってないので分かり難いが、その周りを煌びやかに飾る金(本物の21カラットです)。

毎日5~6時間描いて、1ヶ月かかった。
そして、明日にはもうカトマンズに向かう。
ほとんど観光らしいことはしていない、今回の旅。
どこに行ってものんびりと一日を過ごすことはなく、そして一人でいることが多かった。
観光ものんびりも買い物もしない、たぶんこんな旅行者はあまりいない(笑)。

ここに来てひとつ、気づいたこと。

私は毎日じっくりとキャンパスに向かうことで、逆に色んなものを見ていたんだってこと。
筆を持つことで、たくさん感じたってこと。

現地の人の気持ち、考え方、生活と文化の違い、宗教、そして家族のあり方。
日本に対する想い。


今から、出来上がった曼荼羅を受け取りに行ってきます。
(乾いたかな?)






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家族 

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ポカラは相変わらずののんびりモード。
徐々に暖かくなってきて、朝夕の気温差もほとんどなくなってきた。
日中はTシャツでも汗ばむ陽気。
一日のほとんどが停電しているこの国には、「アイス」と名のつくものは存在しない。
日本のカキ氷が恋しくなる(個人的にはあずきたくさんの宇治金時)。
ちなみにカフェのコーヒーが飲みたいときは、エスプレッソマシーンが稼動するわずかな時間を狙って行くしかない。

空気は乾燥しているので、ハエが異常に多い。
人の湿気に誘われてくるのだ。
だんだんいちいち掃うのが面倒くさくなる。
でもまだ、蚊の襲撃がないだけましか。

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師匠のBuddhaさん。
人が本当に優しく、ポジティブである。

とにかく完璧さにこだわって、「美しくないよ、書き直して」と厳しかった、インドのチベタンの先生。
「最初だから間違うのは当たり前ね。」とニコニコ、「Good、Good!」を連発するBuddha師匠。

お互い片言の英語であるが、先生の優しさはそのオーラで十分に伝わってくる。


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奥さんのニサさん。
短時間でどんどん仕上げていく、その集中力はすごい。
長男がまだ1歳の頃から、職人としての歴史がスタートした。
家事と育児、時々職人の日々は辛い時もたくさんあった、と素敵な笑顔のニサさん。


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夫婦で背中を合わせて仕事。
時々家族のことや仕事について話しながら笑いあう。
仲がよい夫婦。
言葉はわからないが、どうやらニサさんが愚痴っているのをBuddhaさんが「うんうん」と聞いていることが多い気がする。
「女の人がいつも怒っていて、旦那さんが謝っているのはどこの国もいっしょ?」
とBuddhaさん。
一応「YES」と答えておいた。


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左から次男14歳スミスくん、ニサさん、長男19歳大学生スレス(韓国ドラマと日本のアニメ大好き)くん、長女17歳大学生(ネパールの中学と高校は2年制なので、17歳ですでに大学生)マリッサちゃん、Buddhaさん。

この小さな店舗の奥に7畳ほどの部屋と5畳くらいのキッチン、5人家族がここに暮らす。
しかし驚くほど物がない。
トイレも風呂も店舗裏にあたる外で、5世帯くらい共同。
水道はないので、タンクに貯めた水を分け合う。
ハエが飛びまわり物に溢れ、お世辞にも清潔とはいいがたい環境の水周り。
小さな子達はここで地べたに座って一日遊んでいる。
ホテルの清潔なトイレに慣れた私には、どうしてもここのトイレが慣れない。
手を洗う水に油が浮いている。
しかし生理現象には抗えないので、毎回覚悟を決める。

子供たちはほぼ家に居て(今は春休みのようだ、たぶん遊ぶお金もないので)家事を手伝う。

Buddhaさんはタンカアートの職人のカーストのようで、親戚みんなアーティストである。
ちなみに長男の夢は油絵職人、次男はタンカアーティストである。
長女はお嫁さんといったところか。
インドもネパールも、いったん家庭に入ると、女性は家事育児をこなしその上旦那さんの仕事を補佐する。

「本当は家が欲しいのだけど、この狭い賃貸で何年も我慢しているんだよ。一生懸命描いているのだけど、すべて生活費と学費に消えていく。いつも貧乏。でも家族の夢は家を持つこと。だからたくさんお金を稼ぐ方法を、皆一生懸命考えているんだよ。」
Buddha先生は穏やかに言う。

家族のために一日も休まず、お金を稼ぐためにタンカを描くBuddhaさん。
そして、ただ勉強しに来た旅行者である私。

ネパールの経済は裕福とは言えない。
未だ、農村では学校に行けない子はたくさんいる。
商店に行けば、見事にほぼすべてインド産。
テレビの番組は全てインドのテレビ局から。
車も電化製品も全て外国産。
お金を持っているのは、ほんの一握りの人々。

それでも、ネパールの人々は明るい。
笑顔が多い。
いつも隣人と助け合い、停電は多くて娯楽は少ないけど、時々お祭りを楽しむ。

そして家族はその絆が深く、何があってもお互いに助け合う。





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突然ながら、私の家族である。

私にとって、世界一でっかい男。
彼の存在なしに、私はこんな風に自分勝手な生活はできない。

私の帰りを待ちながら、毎日毎日一生懸命働く相方さん。
ありがとう。
心から感謝しています。


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数日前の満月。

美しかった。

リシケシで辛かった時に、「空は繋がっているよ」とメールが来たのを想い出す。
時差と距離があっても、同じものを同じ瞬間に見ている。


不思議だなあ。








曼荼羅 

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Buddha先生の素晴らしい仕事

この曼荼羅に9ヶ月かけているとのこと。
すでに中国人が約50万円で購入。
完成後、中国へ送られる。

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小さな筆で金を塗っていく先生

Buddha Lama先生とは、ネパールに来て2日目に出会った。
タンカアートの店先で、私があまりにも熱心に先生の仕事振りを見ていたため、先生から声をかけてくれたのだ。
「仕事があるから、その合間でよかったら」
私はBuddha先生の弟子になった。

この道34年の職人である。
いつも謙虚で微笑みを絶やさない、その眼の奥に深い力強さを感じる。
数あるアートショップの中で、私がこの先生に決めた理由。


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先生の絶やすことのない絵に描ける思い、その集中力には驚かされる。
1日も休まず、朝から晩まで描き続ける。

「大切なのは、続けること」
この小さな身体の巨匠は言う。
先生はもちろん、Buddhistである。


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奥さんのニサさんも毎日、家事の合間に描く。
4ヶ月でここまできた。




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昨日までの私の曼荼羅

この色合いは、考えた末に決めた。
チベット仏教の色。

Om Mani Pedme Hum
マントラを唱えながら、色を重ねていく。

背景の色は、私の日本に対する想いが強くこめられている。



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昨日の新聞

連日、放射能の脅威が伝えられるとともに、こんな見出し。
「――― こんな大災害の中で、人々は静かに忍耐強く、人間らしい道徳心を忘れずにいる。衣食住に困り果てた状態で、盗みをするものはいない。危険な中でそれを承知で他の者のために働く。歴史上、何度も災害に見舞われながらも、歯をくいしばり耐えそれをばねに発展を遂げてきた日本。世界において、災害時の手本と言うべきであろう。まさにサムライ魂である。」

海外にいて、「日本人であること」に度々誇りを感じる。
日本は本当に素晴らしい国だ。



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「いちど災害がくれば人間の造りあげたものなどはけしとんでしまう。それは自然の脈動と呼吸だ。人間はその中で生きるのだ。――― なにかはかり知れない力が人間を支えている。どんなに打ちのめされて叩き伏せられても、それで諦めたり投げてしまったりはしない。切れた堤を築き直し、石をひとつずつ積み、崩れた崖を均し、流された家を再建したりして、逞しく立ち直っていく―――」
                                 山本周五郎「おごそかな渇き」







祈り 

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土曜日の新聞

当日、ホテルのオーナーが切迫した表情で伝えにきた。

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テレビのCNNニュースを呆然と見つめる。

ネパールは6年前から、計画停電を行っている。
長期間契約でインドに電力を売っているからだ。
一日に電気が使えるのは、24時間中わずか8~10時間。
何て不便だと思っていた。

被災地は電力がない。
まだまだ寒い季節だというのに。
東京の計画停電。

私はなんてありがたい。
一日10時間も電気が使える。
この暖かい国で、水も食料もある。


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帰国を真剣に考えた。
心が凄まじい速さで逆流する感覚。
涙が止まらない。

私に何かできないか。
私の微力が役に立たないか。

しかし恩師や家族と相談し、このまま決めた日までキャンパスに向き合うことに。


かけがえのない大切な人が住む、愛すべき我が国、日本。


画いています。
祈りとともに。










Himalaya 

前回の記事で書いた、もう一つの導きとは…。


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まきちゃんである。
偶然にも同じ街の近くにいることが分かる。
「昨日も会ったねえ」みたいな自然な再会。

フランス人の女性相手に手作りアクセサリーを見せるまきちゃん。
数年ぶりに会うというヨーロッパ勢の中で、一人Asianでしかも中心的な存在。
相変わらずキラキラとしている。

わずかな収入でも楽しくたくましく生き、ずっと自由を謳歌している生命力あふれた人。





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ポカラに来て4日目に大雨に見舞われたが、夜は満天の星空。
翌日は朝から快晴の予感。
早朝4時に起きてタクシーをチャーターし、朝陽を拝みに出かける。


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360度パノラマの景色。
車を降りて20分くらい歩くのだが、高度が高く60歳近いドライバーに簡単に置いていかれる。
待っている彼に、
「すごい低いとこに住んでるから」
などど、一応言い訳をしておく。

息を切らしながら登りきったその目に映った景色はただ、
素晴らしい
の一言。

頂上にはぽつんと民家。
朝からヤギの乳を搾ってそれを背負い、道なき道を降りていくお母さんが見える。
たくましいなあ…。

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段々畑の間に民家がぽつりぽつり。
その向こうにはヒマラヤの峰。

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雲の下に見えるのが私が滞在しているその場所、ポカラで一番大きな湖。

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日が上がってきた。
残念ながら雲が少しかかっていて、朝焼けの峰は見れず。
でも私らしく観光客が普段来ない、辺鄙なところを選んだため、この景色を独占。

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雲の間に垣間見える、聳え立つ雪山。
ここを人が登るなどとは想像に難しい。
(寒いところから来たので、トレッキングに行く気全くなし)

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刻々と変わる山の空模様。
私は雲がひとつもない快晴も好きだが、雲の陰影のある色彩あふれた空をとても愛している。

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ポカラに来て、とても落ち着いた時間を過ごすことができている。
インドはとにかく一日中騒がしく頭を使い忙しいところであったが、ここはとてもとても静か。

日本でも田舎が好きな私には、本当に肌と呼吸の合う大自然のある街。
しばらくここに滞在することになりそうです。