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波を描く

旅と絵と波乗りのこと

生む 

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イヴの海。
ここのところずっと北西風が吹き乱れ、波は膝サイズ。
この日は風が比較的緩やかであったが、やはりじっと波待ちしているとじわじわと寒さが浸透してくるのが分かる。

早朝のしんとした静寂が好きだ。
この季節、早朝に海に入るサーファーはぐっと減る。
この日もカントリーと二人だった。

朝焼けのグラデーションが刻刻と変わるのを、静思とともに待つ。
うねりがゆっくりゆっくり近づいては遠のき、背部で割れるそのリズミカルな音。
そのうち、眠りに限りなく近い脱力状態になってくる。(寒さにやられているのだろうか?)

朝一の波乗りは、瞑想だ。
毎日ちゃんと起きれたら、毎日瞑想できる…しかし。
今日も、目覚まし時計を無意識に止め爆睡。
完全に冬眠状態。

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来年出発までに仕上げたい絵がある。
できたら元旦までに。
帰省した際に手渡ししたいから。
そういえば、毎年この時期は描くことに追われて掃除も侭ならない。
去年も一昨年も、黙々と絵を仕上げていたら年が明けていた。
私らしい新年の迎え方。

頼まれたのは数週間も前。
描き出しは最近、という遅さ。
何してんだか、と自分で自分を戒めてみる。

絵を描くとき
Aさらさらと描きながら、途中で思いつくままに変えていく、ほぼインスピレーション
Bじっくりと頭の中で画と配色を構成し、修正しながらああでもない、こうでもないと悩む
この二つがある。

今回はまさにB。
なんせ結婚式のwelcome board。
地元の波乗り仲間なのだが、旅行で行けないため、結婚祝いである。
彼女はハワイで行われた、フラのコンテストで優勝した経歴を持つ。
優雅で美しいひと。
華やかさの中に、大人の式らしく品と祝を出したい。
しかも、式の後は新居に飾ると言ってくれている。

むうううう…。
海の中で、料理中運転中、布団の中で、便座の上でも考える、考える、考える。
ハワイの花を、とのリクエストで古い雑誌や写真集を引っ張り出す。
アロハな音楽なども聴いてみる。

そしてある日突然、全く違うモノがふと浮かび、筆をとる。
描き出すと、猛烈に描き続ける。
音も時間も世界から消滅。
空腹も寒さも消えて、心は静寂に包まれる。
あ、これって瞑想だ。


生みの苦しみ。
でも、この苦しみは喜びの苦しみ。
捧げる相手を思う苦しみ。
できあがった自分の作品が、著名な評論家に評価されたり、価格がつくことはないが。
生みの苦しみは生きる喜びなのだ。

今年も年明けは筆と共に。